やっとこ鍋磨き

やっとこ鍋磨き

ひとつ気になってお掃除をしはじめると、あれもこれも気になり始めて、気になるとやりたくなっちゃうから、結果、止まらなくなっちゃうのよね。
いつ止まるかって?
疲れ果てるか、飽きるか、自分が満足するまで。

金曜日に包丁を研いだ勢いで、キッチン周りのいろいろが気になり、使うたびに拭いているシンクとかガス台とか壁とか拭いて周りながら、そういえば、これもだいぶ汚れてしまったな…と、棚にしまう前にいったんガス台に置いておいた鍋に手を伸ばし、

磨くか…

そう、なんで磨いていなかったかといえば、激落ちくん的なものは常備しているんだけど、ボンスターが切れていたの。

着替えるのめんどくさい〜!と思いつつも、鍋を磨く使命に駆られてしまったわたしの身体に抗うすべはなく、しぶしぶと寒い外へと繰り出し、週末で老若男女がひしめきあう駅前のヨーカドーで、ムカデようにグネグネとする「ボス:レジギョーレツ」を撃破し、「アイテム:ボンスター」を入手。

鍋磨き必須アイテム「ボンスター」

ボンスターさえ手に入ればなんのこっちゃない、磨く使命に身が崩れるまで好きなだけ心を委ねるだけだから、ルンルン♪

それでは、中尾やっとこ鍋のボンスターによる磨き術を始めます。
よろしくおねがいしますッ

主役から落とされて影の役者となった中尾アルミのやっとこ鍋18cm

かつては主役を張っていた「中尾アルミ」のやっとこ鍋18cm。
かつて、というのも、4年前に引っ越したところがオール電化物件だったから、ガス台じゃなくてIH台になってしまったの。

ここで、使える鍋と使えない鍋がでてきて、残念ながらこの20代のころから前線を張ってきた中尾アルミは「めっちゃ滑らかに電気を通しちゃう」という、とても優れた理由で、一気にその座から転落。控えどころか、応援席、いや球場にもいけず暗い地中に眠り続けるセミの幼虫のようになり、しぶしぶ買われた新参者の「伝導率が悪い」ステンレスのロイヤルやっとこ鍋に取って代わられるのです。

また話が脱線しちゃうんだけど、
IH(Induction Heating)って、電磁誘導加熱っていうくらいだから、電磁が誘導できるもの、つまり「電気を通せるものが使える」んだと思ってたの。
アルミは、小学生のころ1円玉を使って豆電球に明かりが点くのを確認する実験をしたと思うんだけど、「電気を通すもの」なはず。
なのになんでIHで使えないの?
ここででてくるのが、電気伝導率とジュール熱。
おっと、なんか高校理科で習った記憶があるね?
がんばって引き出しから出してこようか!と、ならず大丈夫b

電気伝導率が高い金属といえば、配線とかで使われている銅を思いつくと思うんだけど、アルミニウムの伝導率は銅の約60%、だけど比重が3分の1と軽いので、同じ重さの銅と比べると2倍の電流を通すことができるみたい。
つまり、軽くてめちゃくちゃ電気を通す、ってことね。
(だから、電線に使われているよ!

ジュール熱は、電気が流れるときの抵抗(電気抵抗)によって生まれる熱(摩擦熱)のことで、IHクッキングヒーターは、このジュール効果をうまく活用した調理システム。
電気をビビビっと流すと金属にそれが伝わって、その金属の中で電気がザラザラっと流れることで熱が生まれて、生まれた熱が鍋の中の水に伝わるっていうカンジ。たぶん。
だから、アルミのようにツルツル滑らかに電気を通してしまう金属では熱が生まれにくくて(抵抗はある)、伝導率が悪いガサガサした金属こそが活躍するんだね!

じゃぁ、どんな金属がIHに向いてるの?
伝導率は、アルミが236のところ、鉄は67、ステンレス(SUS304)は16。
鉄と比べると、ステンレスの方が、同じ電力でもより効率よく熱を発生させられるのね!
俺にあたると火傷するぜ?級に危ないヤツだ。

危ないやつでも、熱のためならステンレス君だけを愛したらいいのね!
というわけでもなく、少しの刺激ですぐカリカリしちゃうってことだから、愛し続けるためには、どこがカリカリしちゃうポイントなのか?っていうことを理解して触れないようにしてあげないと、かな?
つまり、使う人の愛の深さに委ねられる。(えッ?!

ロイヤルのステンレスやっとこ鍋の注意書きには、
「200V電磁調理器は非常にパワーがある為、鍋の変形防止・安全面からボリュームは中以下で、鍋の状態、内部の温度には細心の注意をお願いします。」
って書かれてる。

鍋底が分厚いのだったら大丈夫だとおもうけど、ロイヤルのやっとこ鍋はすごく薄い。
想像だけど、強で空焚きしたら、溶けて穴が空くか、ジリジリ言って吹っ飛ぶんじゃないかな?
実際、鍋に水をいれていても強の最大にすると、鍋底がジリジリ言う。
市販したらいろいろ事故がおきて面倒そうだ。

まぁ、注意書きに書いてある書いてないに関わらずなんでもそうだけど、「使い手がその道具を理解して使いこなす」ことがダイジよね。
だからこそ、気になったら調べて学ぶ、勉強することを怠ってはいけないのだ。

そして、その日々の努力を怠ると、
鍋が汚れるのだ!

磨くぞ。

秘儀鍋磨き!

ボンスターの塊を丸々1個つかうと付いている洗剤がもったいないので、適度な大きさにちぎって使います。

たかが鍋磨きといって侮るなかれ。
磨き方にも少しコツがあって。
シンクの角3点で鍋を固定して、手のひらの付け根(手根部)にボンスターをあてて、上から奥に向かってグッグ押すようにすると、自分の体重を使えるからけっこう楽に磨けるの。
多分やると楽にできる位置が分かるとおもう。
シンクが傷ついちゃうから、ダスターは置いておいてね。

調理場でバイト坊主をしていたころに初めて鍋磨きっていうのをしたんだけど、そのときはシンクの底1点に鍋を置いて、指でボンスターを持って磨いてたの。腕の力を使ってたってことね。
で、磨き終わって兄さんに「終わりました!」って見せにいったら、しばらく黙ったあと、ボンスター持ってこいって言うわけ。
けっこう綺麗に磨けたと思うんだけどな…なんて思いながら鍋とボンスターを渡したら、
「ほい」
って、自分が映り込むくらいピカピカにした鍋を返してくれたの。
やり直しってことなんだけど、すごく感動&興奮しちゃったんだよね!
わたしも、こんな風に綺麗に磨きたい!!って。

兄さんが見せてくれたのを見て覚えて、家に帰ってきて練習して。
そのときに練習してた鍋が、この中尾アルミのやっとこ鍋なの。
調理場で見て、めっちゃ話しかけづらい兄さんたちに気になったこと聞いて周って、家に帰ってきたら練習、実践してみる、みたいな。
このころ、出汁もいっぱいひいた。
だからこの鍋は、調理場の思い出がいっぱい。

そんなことを思い出していたら、磨けたかな?

磨いたあとのやっとこ鍋

やっとこで傷ついてフチの部分がガサガサだけど、けっこうピカピカ♡
撮影角度が微妙だからわからないけど、少し黒光するのよね。
磨きが甘いと、白い。

いま住んでいるところはガスだから、セミの幼虫から控えの選手くらいには戻っていたけれど、綺麗になったのを機に羽を広げて先発に戻ってきてもらおう。

そんなこんなで、ロイヤルの鍋も磨いて、ひとまず満足。
ただ、このロイヤル、よく使っているから激落くんでわりと頻繁に磨いているんだけど、ボンスターで磨いても硬いからイマイチ…なのよね。汚れが染み付いちゃってるっていうかんじ?
だから、重曹に漬けたら変わるかな?って思ってやってみたけど、あまり変わらず。ステンレスに染み込んじゃった汚れって、どうやったら綺麗にできるんだろうね?

磨き終わったよー!

左が、ロイヤルのやっとこ鍋15cm、18cm、21cm。
右が、中尾アルミのやっとこ鍋15cm、18cm。
手前が、鍋の名前の由来ともなっている道具「やっとこ」!

やっとこってさ、閻魔大王が持ってる舌を抜くやつみたいだよねw
そうそう、この「やっとこ」って、そもそもは針金や板金をつかむための道具なんだけど、その昔、和釘を抜くやっとこのことを「エンマ」と呼んでいたとか、いないとか。(和釘をつかうあたり宮大工が想像できるから、エンマっていうのは大工道具に限った業界用語だったのかな?)

このやっとこ鍋のいいところは、見ての通り取っ手が無いことなんだよね。
全部スタックできちゃうから、効率よくお鍋をたくさん持ててシアワセ♡

ちなみに、持ちやすさは、鍋に厚みのあるアルミの方。
ステンレスは、薄いうえ硬くて滑るから、水ものがたっぷり入っているとアルミほど効率よく力が入れられない。

すべてスタック

蓋はない。
全部落とし蓋。
あれ?なんでだろうね?
蓋がないのが当然だと思っていたから気にもしたことなかったけど、和食で蓋ってイメージがない。

またこんど調べてみよう。

全部磨きおわったところで、わたしの鍋コレクションをお披露目〜♪
やっとこ鍋に、ティファールのフライパンとウォックパン、岩鋳のフライパン17cmに、最近やっと手に入れた憧れのStaub 24cmココット。
これにあと、Staubのココット10cmがいくつかと、30cmココットがあったら最高♡

マイ鍋コレクション

スタックできるものを重ねていくと、

マイ鍋コレクションをスタック

こんなかんじ!

やっとこ鍋って素晴らしい!

取っ手のとれる〜、ティッファール♪
なんていわなくても、やっとこ鍋はそもそも取手がない!
掴む道具はペンチ!
やっとこなんて買わなくても、工具箱からペンチを出してこればいいの!

カッコよすぎだ!!

(父)おーい、ペンチどこにいっちゃったかなー?
(母)工具箱に入ってないの〜?
ぐつぐつと煮える鍋の横にはペンチ。

さて、今日もたゆみまくりながら、ごはんを作りましょうか。