鱲子づくり

どうやら、「からすみ」と読むらしい。
他には、唐墨とか、鰡子とか。

居酒屋ごっこしたい病を発症してお魚屋さんに転がり込んだ11月17日。
だいたい飲食店さん向けのものが置いてある一角に「ボラ子」を見つけてしまったの。

からすみの原料、ボラの卵=ボラ子

それこそ、20代のころから作ってみたくていたんだけど、そもそもボラ子を扱ってるようなお店が周りになくて、あったとしても、お店に出るのはほんの一瞬だから出会えるようなこともなく。

わぁ、ボラ子!
おいくらですか?

聞いてみるとグラム単価で答えてくれるんだけど、このボラ子が何グラムか分からないから、教えてもらってもよく分からなくて。
1腹で失敗したら100%敗退。
2腹だったら五分五分!という算段で

じゃぁ、2腹お願いします。
と伝えると、3,500円ね〜!という返事が。

うっわ、たっか!

とはいえ、高級なからすみが1腹10,000円で売ってることを考えれば、1腹1,750円で買えるのだから安いもの…よね?(ドキドキ

これはがんばって、高級からすみに仕上げなくては!!

血抜き済で並んでいたボラ子

11月17日
帰ってからさっそくウェブで「からすみ 作り方」チェック!
作り方を調べるとあるあるだけど、ほんと人によって作り方がそれぞれなのよね。
だから、ここで何を取捨選択するかが、いままで自分が蓄積してきた知識や経験を試されているような気がして緊張する…!

ひとまず、わたしは2腹は手元に持っているので、最低でも2種類作れる。
大丈夫、失敗したら来年また挑戦すればいいのだ。
うんうん。

まずは、とにもかくにも、血抜きがだいじみたい。
よくよくみると、血抜き済で売られていたものだけど、血管が見えてるよね。

まち針をお裁縫箱から出してきて、お水に漬けながらツンツン。
写真だとちょうど太い血管が裏にいってしまってるけれど、このいま写っている毛細血管を太い方へ太い方へ爪で刮ぐと(こそぐって方言なのね!フィーリングで理解して!)太い血管まで血が移動してくれるから、太い血管に針を差して血を抜くのが効率よさそう。

血抜き後

遠目から見てもわかるくらい、綺麗になったんじゃないかしら?!
これを、氷をガサガサっと入れた水に浸して、冷蔵庫で一晩寝かせます。

11月18日

氷水に浸けて冷蔵庫で一晩置いたもの

バットにあげると、ぶよぶよw
血管のケの字も見えないくらい綺麗になりました!

氷水からあげてバットへ

そしたら、塩漬けに入ります。
バットにお塩を敷いて、その上にボラ子を置き、上からお塩を振りかけるみたい。

粗塩をひいた上にボラ子を乗せる

お塩の種類は、お魚屋さんは普通の塩でいいとか言ってたけど、梅も粗塩で漬けるから粗塩がいいんじゃないの?なんて思って帰りしなにスーパーで粗塩を買ってきたんだけど、帰って調べたらウェブ先生たちも「絶対粗塩!」っておっしゃっているので、粗塩を使いますb

さらに上から粗塩を振りかける

これでもか!ってくらいお塩で覆うって書いてあったから、そのようにしたのだけど…最終的には多すぎたのかな?って気も。
結果、塩漬けにできればなんでもいいのかな?
わかりゃませんw

1晩目

11月19日
1晩目。
水がうっすら出てきたので、捨てる。

2晩目

11月20日
2晩目。
1晩目と同じくらい、うっすら水が浮いてきたので捨てる。

3晩目

11月21日
3晩目。
バットを傾けて、やっと貯まるかな…?くらいの水。
お塩をめくってみると、カラスミはカチコチ。
水がでなくなるまで1週間くらいって書いてあったけど、これ以上でるのかな?

5晩目

11月23日
5晩目。
かろうじてお水が出てるかんじ。

6晩目

11月24日
6晩目。
なんかもう限界そうなので掘り出してみます。
背筋ピーン!!

今度はこれを、お水に浸けて塩抜きしていくみたい。
出したり入れたり、ボラ子の中はさぞや浸透圧戦争で慌ただしいにちがいない。

水に浸して、塩抜き

いまは、コリコリに硬い状態なんだけど、塩が抜けていくと、どんどんコリが取れていくんだって。
で、中の芯のコリが取れるまで水を代えて塩抜きしていくみたい。

2時間で1回お水を交換して、4時間塩抜き。

少し小ぶりな方は、5時間くらいでコリがとれたので、このまま干していきます。
日本酒や焼酎に漬けるレシピが多いなか、それを経験したうえで、塩抜きしたものをそのまま干したほうが美味しい、と書いてある記事(こちら)があったので1腹はその方法を採用してみました。

冷蔵庫で干します 上の10/24と書いたものは日本酒に浸けたもの

ちなみに、わたしが住んでいる環境は、東京のド真ん中みたいな場所。
さすがにこのスモッグ環境に、わたしのだいじなボラ子様を晒すわけにはいかないので、必殺冷蔵庫 de 乾燥!をしていきます。
下の上等?なイタリアンレストランは、マンションの裏で干し網に入れて干してたわね…。

もう1腹は、コリが取れたあと日本酒に浸けていきます。
日本酒はたぶん安酒がいいだろうと、料理酒で使っているセブンの鬼殺し。

11月26日
裏返ししながら、乾燥を促していきます。
ペターっと綺麗にしたいので、ときたまバットで挟んだり。

塩抜きしたものをそのまま干して1日目

いっぽう、日本酒に浸けておいた方は、コリなんてものは1ミクロンもなくなって、ブヨブヨのベコベコ。
干していきます!

奥が塩抜き後干したもの 手前が日本酒に浸けておいたもの

11月27日
バットで潰しながら、表面をなめらかに乾燥させていきます。

12月4日
塩抜き直後から干し始めたものは、ちょうど10日目。
かちこち。
たぶんもういいと思う。
味見をしたい…けど、我慢我慢;;

日本酒に浸けてから干したものは、8日目。
まだ中が半生っぽい感じ。
どこまで干したらいいのかな…??

しかも、干し終わったらどうしたらいいんだろう?
真空パック??

下が塩抜き直後干し 上が日本酒漬け

12月7日
ボラ子を手に入れてから20日目。
塩から干したものは13日目、日本酒に浸けてから干したものは11日目。
日本酒に浸けておいたほうが、中のほうまで硬くなったようなので「完成」でもいいかな?!
もう待てない!!!

手前が塩、奥が日本酒

近い色がみられるように、色温度と露出以外は調整しないようにしました。
調節するのが常なので、うずうずしてしまう…

【塩】
しっかりみっちり、乾燥したかんじ。
あれだけのお塩に漬けたことを忘れてしまうくらい、塩気はとてもちょうどよく、魚卵らしい香りと味、ボラの卵ってこういう味なのね、というかんじ。
いっぽう、

【日本酒】
ねっとり、中半生。
塩よりも2日多く日本酒に浸けておいたので、塩気が抜けてるのでは…とおもったけれど、塩と変わらないくらいのちょうどいい塩気、そして今まで食べてきた馴染みのある店売りの「ザ・からすみ」のお味!
ただ、塩を食べたあとなだけに、お酒の風味が雑味に感じてしまう。

両方食べてみたかんじ、わたしは塩抜きのあと干す「塩」が好き。
このことを書いていてくれたブログの方にめちゃくちゃ感謝!
この方がいなかったら、日本酒漬けか焼酎漬けの2本立てになっていました。

来年からは、作るなら「塩」にしよう。

さて、わたしの好きなことといえば
「ごっこ」
ですね?

10,000円とまではいかないにしても、「高級からすみ」に仕上げてみようじゃありませんか☆

できたからすみは、真空パックンでパックします。
で、せっかくなので、ブログのためにつくったロゴをつかって、筆ペンでカキカキして、イラレでレイアウトして、プリンターで印刷して、切って、貼って…

お手製のラッピング
カワイイ♡
箱入りイメージ

じゃじゃーん!

スーパー満!足!

ここまでやってはじめて、「自分で作った!」っていう満足感に浸れる。
幸せだ…

『ごはんと写真と、』製の食べものの賞味期限と消費期限は、
「食べられないと感じるまで」です…_φ(・_・

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