お節づくりからのお年越し

どんな「お節」にしようかな(´-`).。oO

年末に差し掛かると、考え始めるお節のこと。

だいたいいつもの年は、だれかどうかは帰ってくるので
そこそこ賑やかなお年越しになるんだけど、
今年は、去年から流行りだした新型コロナ感染症のことがあるから
それぞれでお正月を迎えましょう
ってことになったの。

そうなったはずなんだけど、
外界との接点がない在宅モグラなわたしは、
長野での定期のお仕事があることと、
料理番は帰って来てくれ、のひと言で
例年だったらすし詰めパックな年末の電車に乗って、
手足を伸ばしながら優雅に帰ってきたってわけ。

つまり、父、母、わたし
3人だけのお年越し。

父、母は寂しいだろうけど、
わたしはといえば、心の中でガッツポーズ。

なんでって?
人数が多くなればなるほど大皿料理になってしまうけれど
3人だったら、料亭ごっこができるから♡

 

12月30日 午前。

母と買い出し。

去年お店を畳んだお魚屋さんに、
お願いして仕入れてもらった氷見の天然ブリを受け取りに行ったところ
これもってき。
といって、お店のお母さんが持たせてくれたのは、朝〆のヒラメにマグロ。

ブリだけでも申し訳ない思いでいっぱいだったのに、
思いがけないプレゼントに涙がでてしまった…;;

去年お店を畳んだお魚屋さんで仕入れたものたち


他お野菜などの材料は近所のスーパーへ。
エビ、数の子、手毬麩、黒豆はネットでお取り寄せ。

小田垣商店の黒豆


今年の黒豆は、小田垣商店の「飛切」と「新豆」を食べ比べてみることに。
何が違うか調べてみたら、
「飛切」は、目利きの職人さんが選りすぐったもので、その年に収穫したものだと選別する時間がないみたいで、前年収穫したもの。
「新豆」は、今年11月に収穫したもの。
らしい。

けど、近所にある阪急でみかけたのは、「新豆」の「飛切」だったのよね。
スーパーだと、選別した新豆を出せるだけの流通経路があるのかなぁ?

手にとると、ほんと綺麗。
まるで黒い宝石!

 

麩秋の手毬麩


お麩は、愛知の麩秋っていうお店のもの。
ネットで探していたら見つかった手毬麩なんだけど、
手作りでいながら10個で1200円。
京都のものを考えたらとてもお買い得だったので、やった♡

 

  

12月30日 午後。

仕込み開始!

まずは実家に放置してある、なまくら包丁研ぎから。
出刃は、使うほどのお魚がいないから、出番は1年に1回くらい、
柳葉は、かわいそうに全身サビサビになっていたのでサビ落としから…;;

切れ味が戻ったところで、
時間のかかりそうな伊達巻作りから。

はんぺんで作る簡単バージョンもあるけれど、
海老のすり身から仕込みます。

都内で芝海老を探したけれど、出ていなかったので、
12月中に仕入れておかないとだね〜!
仕方がないので、地元のスーパーにあったパナメイ海老で。

フードプロセッサーだと海老の身が卵に馴染まないので、
包丁で叩いたあとあたり鉢を使い、裏ごしします。

海老のすり身


<今年の伊達巻>

たまご 5個
えび 180g(@20g×9尾)
さとう 大さじ4(20g)
濃口醤油 小さじ1
だし 大さじ3

普通の伊達巻レシピの半分以上、お砂糖を控えています。
甘くないお寿司屋さんの卵焼き、くらいの割。

市販の伊達巻って、卵の味も、すり身の味も、お砂糖で台無しになったうえ
甘さで、歯と頭が痛くなっちゃうのよね。
だから自分で作るより他、この味はいただけない。
悲しいかな;;


ちょうどいい型がないので、クッキングシートの四隅を留めたお手製の型。
16×23cmくらいの型に流し入れて180度で15分焼いたけれど、
しっとり感が薄かったので、
もう少し小さい型で、焼きも10分くらいでよかったかも…

お砂糖を増やすとしっとりするみたいだけど、
それじゃ、自分で作る意味なくなっちゃうものね。


この日は、この後お夕飯になって、
いつもだったらお夕飯の後に仕込みを続ける、んだけど…!

このブログを立ち上げたとき、
実はこんなの作っていて…と、
とても疎遠になってしまっていた大学の友だちに連絡をしたの。
疎遠にはなってしまっていたけれど、
ほんとに大好きで、こころから信頼している友だち。
やっと、自分を飾らなくても連絡できるようになれた、っていうのか。

ほんとに、やっと。

この話しをし始めるとまた止まらなくなってしまうので
わたしの心の葛藤はさておき、

その子と久しぶりに顔を合わせて飲もう!って話しになって。
作る量も少ないから、31日にまとめて仕込めばいいや!なんておもって、
22時からは、オンライン飲み会へいってましたの。

でね、
結局そのまま仕込みへ♡

12月31日 午前。

現在できあがっているもの、
伊達巻、以上。

とにかく進めなくては終わらないけれど、飲みすぎてヨレヨレw
だって、顔みて話すのなんて、10年以上ぶりよ?
盛り上がらないわけがないでしょう。

徹夜明けの老体にムチ打ってお勝手に立ったとき、
ブログの立ち上げを手伝ってくれたお友だちから、
おはようのメッセージが入ったので、
そのままの勢いでボイスチャットで付き合ってもらいながら仕込みスタート。

黒豆を炊いて、花蓮根を彫って、ねじり梅を作って…、
ボイスチャットが終わったところで撃沈。

<黒豆>

黒豆 1カップ
水  500ccくらい
砂糖 40g(お節のレシピ本では、これの2.5倍)
醤油 小さじ1/2
塩  ひとつまみ

24〜48時間ほど水に浸した黒豆の水を切り、
鍋に材料を入れ、アクをとりながら好みの硬さになるまで炊きます。
最終的に400ccくらいにキープできれば、いい感じだと思うb(適当!

小田垣商店の飛切な黒豆

 

12月31日 15時。

現在できあがっているもの、
伊達巻、黒豆、以上。

母は、お昼を父に出しながら
「今夜はブリだけかもしれない」
と、伝えていたらしい。

いやいや、伊達巻も黒豆もあるから!

ヘベレケ娘ですみません…


追い詰められたら?
切羽詰まったら?

あとはただただ体や手を動かすだけだよね!
very simple!

30日の朝〆でもらったヒラメ

お煮物は、例年と切り方を少し変えてみました。
いつもは乱切りにするごぼうは、拍子切りに。
にんじんは、まぁるく輪切りに。

にんじんの輪切りなんて田舎臭いわよね、
なんて母と話しながらも、
なんか最近、綺麗な円を描くにんじんの輪切りが好きで。

皮むきをつかうとゴツゴツしちゃうから、かつらむきしないとなんだけど、
これがまた、綺麗な円を保ちながら剥くのって、すごく難しいの。
だから、やりたくなっちゃう♡

ちゃんと枕崎産のかつを節を削りたかったんだけど
とにかく時間に迫られていたので、削り節で…

よっぱらいめぇ!

いつからかうちのお節の定番になった、
1尾250g〜の大海老を使ったエビチリ。
といって、海老の写真がないという。

<海老チリ>

海老は片栗粉とお塩で洗い、卵白、片栗粉、塩の下地につけておく。
作るときに180度の油で揚げる。

ねぎ みじん切り(1/2本)
生姜 みじん切り(1カケ)
お好みでにんにく
ケチャップ 適量
豆板醤 適量
ガラスープ・胡椒 適量
あれば紹興酒
ごま油

フライパンにごま油を敷き、ねぎ半量、生姜、豆板醤、(にんにく)を炒めて香りを出す。
香りがでたらケチャップを入れ、ガラスープ(顆粒+水)を入れる。
揚げておいた海老を入れ、味を整え、最後に紹興酒を鍋肌に伝わせながら入れて、完成。

八幡巻き

<八幡巻>

ことしの八幡巻きは、ニンジンとごぼうで格子柄に。
徹夜明けの酔っ払いで、よく綺麗に短冊を作ったものだなと、
ちょっと自分に感心。

ニンジンとごぼうはいい感じに長い拍子切りにして、薄出汁で炊いておく。
お肉は薄く広げてから小麦粉をパラパラ振って、
ニンジンとごぼうを配置して巻き巻き。

割は、濃口醤油:砂糖:酒=1:1:1


 

12月31日 20時。

やっと色々が整って、お節作り終了。
そしてお年越し。

今年は3人だけなので、個々のお膳を整えました♪

すべて、ぜーんぶ、手作り☆

お節
年越し膳
蛤の吸物 菜の花 百合根
酢の物 花蓮根 畑で育てた紅しぐれ大根 蛸

今年は、40歳の節目を迎えた年で、
自分は何ができるんだろう?って
この先のことをとても悩んだ年だったし、まだ悩んでるし。

でもおかげで、
好きだからこそ嫌いになりたくなくて
上を見ればすごい人がいっぱいいるし
わたしがしてることなんて家庭料理レベルだし…とか、
ずっと好きだって言えなくて逃げてきたけれど、

やっぱ料理って楽しいなって、純粋に思えた、かな?w

料理が好きだからって、
ずば抜けた才能やセンスがあるわけじゃなくて、ただそれだけで、
大したことしてないのに好きだなんて、よく恥ずかしげもなく…
なんて思ってしまうもういっぽうの自分もいて。
でも、「ただ好き」だけで十分じゃない?
とも思えるようになった…というか。

なかなか、「好き」って伝えるのって
逃げられなくなっちゃうような気がするからなかなか言えないんだよね。

でも逃げたっていいんだって。

逃げて、
戻りたかったらまた戻ればいいだけなんだ、って思う。


明日は新年。
ゆっくりでいいから、1歩づつがんばろう。


良い年となりますよーに!!

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