お芋汁,とろろ汁

お芋汁(とろろ汁)

お正月のごはんといえば、
お節、お雑煮に加えて、もうひとつ欠かせないのが、お芋汁。

母方では、「元旦は働かない」という習慣から2日の朝に食べるのだけど
父方では、元旦の夜にいただいていたようで、
朝からお芋なんておろしたくない、という母の好みで、
父方の風習が採用されたみたい。

このお芋汁、どうやら長野県の、とくに南信州の風習のようで、
父方と母方でいただく日が違うように、
元旦、2日、3日、それぞれお家によって違うみたいなの。

とくに、2日にいただくものは「すり初め」と呼び、
3日にいただくものは「三日とろろ」と呼ぶみたい。

元旦は?
うーん、、どうも聞いたところによると、
父方のおばあちゃんは、とにかく働き者だったみたいだから(多動…?
休んでいられなくて先回りして作っちゃってたのかも?w

ただ、わたしも母と同じく、
朝からお芋なんてすりたくないから、元旦の夜で嬉しい♡


この芋汁を食べる習慣、わたしが聞いていたのは、
年末に飲み食いした胃腸を休ませるため、というものだけど、
ふと調べてみたところ、
悪いものは滑るように去り、幸福が滑り込むように、
または、長く伸びることから長寿の願いが込められた縁起物で、
神様に差し上げるお供え物なんだって。
へー!

江戸ことばでは、すり鉢のことをあたり鉢って呼ぶくらいなのに、
「すり初め」なんて、まるでお正月の初めから「(お金を)する」ようで
縁起がとても悪いように思えちゃう。

お金なんてスったって、すぐ滑るようにスルっと入ってくるだ〜!
(末尾の「だ」は方言
って感じかな?

お芋汁強し。

加賀の丸芋と信州産の長芋

さてさて、お芋汁の材料はこちら

<お芋汁の材料>

丸芋 大1個
長芋 大1/3本

※丸芋をいただくのでそれを消費するために使っていますが
 濃いお芋なら自然薯などでもオッケー。
 長芋だけだとシャビシャビになってしまう。
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出汁 600ml
薄口 大さじ2
濃口 小さじ1
味醂 大さじ2(煮切り
酒  大さじ1(煮切り
卵  1個

※飲むように食べるため、塩気は薄めに仕上げています。
 お好みで、薄口、濃口、塩、味醂で塩梅を調整してください〜!

お芋は、少々めんどくさいけれど、
あたり鉢の側面でゴリゴリすっていきます。
お芋にあたると痒くなるので、ビニール袋とかエンボスを使ってね!

楽だからといっておろし金を使うと、口当たりがザラザラになるので
ズクを出してがんばろう。


そうそう、このズク、
長野県の方言なんだけど、どういう意味?って聞かれても、
該当する共通語がないのよね。
強いて言うならば、根気とか根性とか、なのかなぁ?

手のかかるものを作っているときには、
「ズクがあるわね〜!」

芋をすりはじめても、フラっとサボり始めてしまう人には
「このズクなし!!」

なんて使うかんじ。
今日からすぐ使えそうでしょ?

このズク、
調べても語源がわからないし、どうにも直訳できない言葉なんだけど、
もしかしてお金のズクかな?って思ったりしてるのよね。
いっぽうで、金尽くって言葉があるから、こっちのズクかな?とかね。

ズク、ねぇ〜?
なんて考えているうちに、お芋すりは終わっちゃう。

お芋がすれたら、出汁と調味料を合わせて、混ぜていきます。

リズムよく、トントントントン、ゴリッゴリッゴリッゴリ…

お芋がすりあがったところで、
薬味を用意します。
なんだかんだ何年もやってるうちに、こんな感じのラインナップに。

左上から
海苔、酢橘、万葱、茗荷、三ツ葉、イクラ、山葵、からすみ、胡麻、柚子。
かいわれ大根やかつを節を入れたりも。
とにかく思いつくものなんでも入れちゃう。
書きながら思ったけど、胡椒もいいかも!

からすみは、昨年仕込んだ「塩」のほう。

お芋汁のお薬味セット


お芋汁セットに、お刺身、
そして、お大根と蒲鉾のお椀を用意して
お夕飯の準備は完了!

鮪、平目、蛸、雲丹
椀物 大根と蒲鉾の炊き合わせ


ただのお大根と蒲鉾が、ちょっと高級のようなものに見えるから笑っちゃうw
見栄っぱりの手にかかると、お味はともかく、
見た目だけはイイ感じになるb

で、食卓に並べると、こんなかんじ!

元旦のお夕飯

お薬味やお重箱のおかげで、
食卓が賑やかになって、おご馳走にみえちゃう!

おっと、そうそう、この「おご馳走(御御馳走)」って言葉、
これも長野県の方言なんだとか?

ご馳走だけでも、馳走に御が付いているのに、
さらに御を付けちゃうっていうw
うぷぷ

お芋汁 お薬味を添えて


ごはんは、麦ご飯とかではなく、ふつうに白米。

お蕎麦屋さんから届いた手打ちそばに合わせていただいてもいい感じ♪
むしろ、お蕎麦と合わせたほうが好きだ!w

あぁ〜…お蕎麦打ちたい…;;
プロのお蕎麦もいいけれど、
自分で打ったお蕎麦は、美味しい。


今年も、口当たりが滑らかなお芋汁が作れて、
いい元旦の夜になったんじゃないでしょうか。


スルっと滑るような口当たりのお芋汁を作るように、
ずくを出して、御御馳走をたーくさん作れる一年にしたいですね♡
だいじなシーンでは、口が滑りませんよーにッ

そして、お父さん、お母さん、
ながーく、ながーーく、元気でいてください
の祈りを込めて。