かんぴょう巻きを作った勢いで
かんぴょう巻きのちゃんとした巻きも作りたい、からの
かんぴょう巻きを作るんだったらお稲荷さんも…
となったら、もう「助六寿司」を作るしかないでしょう。

この助六寿司、
揚げ物(いなり寿司)と巻き物の頭文字をとった「揚巻」に由来するもので、
歌舞伎のお話に出てくる揚巻さんの恋人が助六さんだったことから
あげまき…あげまき…、
と言っているうちに「助六」に、
変わっていったとかいかないとか。
そんな、聞きかじったくらいしか知らない
助六寿司の名前の由来だけど、
干瓢のことを「おかる(あるお話の勘平さんの恋人お軽さん)」って呼んだり、
お醤油をムラサキとか、お寿司のお茶をあがりって呼んだりとか、
日本人って面白いことば遊びをするなぁ〜!ってよく思う。
<おいなりさん>
お出汁で炊いたやさしいお味のおいなりさんです。
油揚げ 2枚
お出汁 200ml
砂糖 大さじ1
醤油 小さじ2
– – – – – – – – – – – – – – – – –
酢飯 適量
大葉、生姜、胡麻などお好みの具材

元となるお話は、
『助六所縁江戸桜』。
(すけろく・ゆかりの・えどざくら)ヨっ!
江戸きっての美男、男伊達な花川戸「助六」は、
吉原イチ売れっ子の、三浦屋の花魁「揚巻」と恋仲である。
この助六、
実は曽我五郎(そがの・ごろう)という武士で、
失われた家宝、源氏の宝刀「友切丸」を探している。
そしてある日、
揚巻を口説こうと通い詰めている、髭の「意休(いきゅう)」というお大尽が
この刀を持っていることがわかる。
意休は三浦屋へ逃げる。
助六「待て、意休。刀は確かにもらうぞ!」

花川戸とか、吉原とか、
馬道通りと言問通りの交差点付近に住んでいた時期があったから
あの辺をあぁ歩いていたのかな?なんて想像できて楽しい。
とはいえ、花川戸から吉原までは、
今の時代、なかなか簡単には歩きたくないよね。
でも、この助六寿司を片手にすれば
揚巻への足取りも軽くなるかも?しれない。

そんなこんな、助六寿司について調べているあいだに
かんぴょう巻きができたかな?
なかなか具を中心に綺麗に巻くのがむずかしくて
何度巻いてもヘタクソな仕上がりになってしまう…;;
コツは、巻く奥に「塀」を作ってあげることみたいなんだけど、
そもそもごはんの量が多すぎたり、少なかったり。
全形の半分(細巻)で、80〜100gが目安みたいね。
ついでに切り口もムズカシイ!
水でほんのり濡らした包丁で、
それこそ手練れの剣客が上から下へ真向切りするように、息を吐きながら…
スピャッ!!
と、刃元から刃先すべてを使って切るのだけど!
持った瞬間に指圧でムリっとお米が巻きから飛び出て不格好に。。

巻き物、
簡単に見えて、ホントにむずかしい。
シンプルだからこそ、作り手の技量があらわになってしまう、というのか。
トホホ。
なんとなく巻き物の形になったので
これから精進していこう!(食べたら忘れる。
ということにして、お重箱に詰め詰め。

いい風景だねェ〜!(もう忘れた。
意休と助六の因縁の話しにもどり、
「この刀は確かにもらうぞ!」
と言った助六。
助六は意休を討ち取る。
逃げるために川に飛び込み意識を失う助六、
それを助ける揚巻。
助六の手には友切丸が握られている。
捕り手が出てきて、助六と揚巻の引っ張りの見得で幕は閉じる。
この最期のシーン「水入り」は、
大正時代以降、語られたり語られなかったりする場面みたい。
どちらの場合も魅力的だけど、
『助六所縁江戸桜』ときたら、
やっぱり最期は『桜(揚巻?)』が欲しいな〜!
なんて。
母のおかげで、
思いがけず風情のある「揚げ」と「巻き」を頂くことになり、
記憶に残る一枚を撮ることができました。

すけろくさーん!
あげまきぃー!