金継ぎ

金継ぎ

生活しているなかで必要なものっていろいろあるけれど
中でも好きなものが「食器」。

増えることもあれば割れてなくなったり、
引越しを期に好きな食器だけを残したりしてきたけれど、
たぶんまた、そのときの好みや割れてしまったりで、
増えたり減ったりしていくんだと思う。

食器の記憶を辿ると、
「在るものは壊れる」ことを教えたかったらしい父は、
わたしたちに「割れるもの」をあえて使わせてくれていたのだけど
それにしては、割ったときの衝撃たるや、
思い出しても雷に撃たれたと思うほどの辛い思い出しか蘇ってこないw

たぶんどこの家でもある、
小さい頃あるある、だよね。

おかげで「在るものは壊れる」ということは覚えたし、
「仕方がない」と受け入れることも覚えられた、かな?

でも!!
買ったばかりのお気に入りが、
パッカーン!!
と割れた日には、「在るものは壊れる」とか「仕方がない」とか
ぜんぜん受け入れられないわけよ!

これがそう。
しのぎの湯呑み。

使い始めて1週間も経たないうちに割れてしまって
どうにも捨てられなくて
これを期に挑戦してみたのが「金継ぎ」なの。

ただアロンアルファで留めたんじゃ
風情もへったくそもないでしょ?

便利な時代になったよね!
「金継ぎ」にトライしてみたいな!っておもったら、
こんなお手軽セットが売ってるんだもの。

藤井漆工芸株式会社ってところの「金継ぎ 美」っていうセット。
漆から漆を融解するテレビン油、金まで、
必要なものはすべて揃っている!ステキ!

とはいえ、「金継ぎ」を知ったからといって
じゃんじゃん継ぎができるかといえば、
そんなに都合よくいろいろ割れてくれるわけではないので
しばらく継ぎなんてしていなかったんだけど、
今年の年末年始でやってしまったです。

そう、年に1回使うか使わないかのお皿が、
ぱっかーん!

 
晴れの日に使うお皿だから1枚でも欠けてしまうととても悲しく、
これは継がなくては…と、
久しぶりに重い腰をあげてみることにしました。

 

継ぐ

まずは、お米を炊くところから。
ただ炊いただけではまだしっかりしているので、
炊いたあとさらに茹でて柔らかくします。

おかゆを炊けばいいんだろうけど…

指で潰せるくらい柔らかくなったら、たぶんオッケー。

これを、付属のヘラですりつぶして糊状にしたら
付属の漆を同量混ぜて、さらに練っていきます。

練って練って滑らかになったら、
割れた断面にぬりぬり。

わたしのこの糊だと、ちょっと荒いかもだけど
ま、いっか!ってかんじに塗っちゃってますw

で、もういっぽうと継ぎます。

ムニュっと余分なものがでてくるので、
ティッシュとかで拭き取ります。

で、段ボールの中に濡れたキッチンペーパーを入れて湿度を高くし、
2、3日乾燥させます。
さっと乾燥させるよりも、じっくり乾燥させたほうがいいみたい。
割れちゃう、のかな?
理由はわかりませんw

ついでに、いろいろ継いでるのがバレてしまう。
割れはしなくても、ちょこちょこ欠いちゃうのよね〜

こんな感じに、濡らしたキッチンペーパーのうえにお箸を並べ
そこに器をおいて…、
 

さらに、濡れたキッチンペーパーを上に渡し、
箱を閉じて眠らせておきます…(( _ _ ))..zzzZZ


 
乾燥させすぎて悪いことはないので
2、3日といわず、忘れたころに開封!

そしたら、付属の筆を使って、割れ目に沿って漆を塗っていきます。
このとき、のちのち金を蒔いていくことを考えて、
太くしたり、細くしたり、形をいろいろにしたり…
それが、なんだか「継ぎ」の世界みたい。

わたしは、ワビサビとかよくわからないし、
そもそも金継ぎのセンスがまったくないので、
素直に、割れ目に沿って、ぬりぬり。

で、半乾きになるまでしばらく放置。

生乾いた感じになったら、
付属のほんわりした筆に金を付けて蒔きます。
…といっても謎だよね?

鉛筆を持つようにして、薬指で筆をこしょこしょして
粉をふるい落とすようにするの、たぶん。

NHKしか観て育ってきていないから、
蒔く、と書いてあるのを読んで、
あれね!って感じだったけど、
どれだけの人が「あれね!」になるのかは、不明です。

蒔いたら、
付属の綿で軽くポンポンして、
脇にある余った金は、筆で払い落として金の包みへ。


金は大切ですからなんとやら、
みたいなこと書いてあるけれど、わたしは所詮素人。
無駄にしないわけがない。
ので、諦めて出来るかぎり大事にする感じ♡
 

金が蒔けたら、
乾燥するまで、また湿気めいた場所でじっくり乾燥させます。
 

漆が乾燥したらできあがり。

綺麗に半分に割れてくれたおかげで、
地平線ができて、黄金の砂漠みたいにも見えるし、
大地に流れる河にも見える。
もっか最近流行りのアニサキスにも…
 (去年11月に飼ったアニサキスの後遺症で鯖アレルギー中ですの;;

そうやって継いだ跡を楽しめるのが、
「継ぎ」だよね。

これで、次の晴の日には表舞台で輝けるかな!
継げなかったら捨てられてしまった1枚だけど
こうやって息を吹き返してくれると、
一度は遠くにいってしまった大切な仲間が戻ってきたような、そんな気分に。

 

よく、人の関係においても、パリーンと割れちゃうことってあるけど
割ってやろうっていう悪意がない限りは、
ほんの少しの誤解やアクシデントで起こってるんだよね。
でさ、それが直らない場合は、
ことの本質を見ようとせずに自分の気持ちを優先して
割れた部分を「継ごう」とする意志がないときなんだろうな、って
わたし自身に巻き起こることを観察していて思う。

だって、あの人が。
わたしはこうだった、のに。

直したい意志があれば、
だって、のに、っていう埃をとって、
「わたしは、あなたと丸いお皿でいたいの!」って、
お互いにほんのすこし糊を着けて歩み寄るだけで、
いつでも継げるはずなんだよね。

くぅ、むつかしいっ><

でも、がんばって継げると、
その跡は、その割れからしかできない造形を作り出すんだよね〜

やっぱりアニサキスに見える。

お皿ちゃん、おかえり!
戻ってきてくれてありがとう、みんな待ってたよ!
わっちゃって、ごめんね。

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