ビールがすすむ「ブレ・ア・ラ・リエジョワーズ」

「肉団子」っていうと
だいたい「ミートボール」が連想されて、
トマトをベースにしたソースや、中華風のあん、テリヤキソースでいただくのが
日本では一般的じゃないでしょうか。

いっぽうで、日本よりもお肉の歴史が古いヨーロッパでは、
各国それぞれの調理法があり、
日本ではあまり経験ができないお味のものがたくさんあります。

出会いは、ベルギーの「ブレ・ア・ラ・リエジョワーズ(Boulet à la Liégeoise)」。
りんごの名産だったリエージュ(地名)に由来する
「シロ・ド・リエージュ」というりんごのシロップがソースに使われ、
「リエージュの砲弾」と地名入りで名付けられたお料理で、
ドーン!とお皿にのった大きな肉団子に目を見張ります。
 

リエージュで出会った「ブレ・ア・ラ・リエジョワーズ(Boulet à la Liégeoise)

 
とにかくその迫力はさることながら、ソースの味が
デミグラスソースではなく、とてもフルーティで深くて絶品だったんです。
写真が悪いけど、美味しそうでしょ?
この当時は、Canon PowerShot S110(コンデジ)をAUTOでつかっていましたw

帰国後にトライしてみたものの、
シロ・ド・リエージュを使わなくてもイケるだろうとたかをくくり、
いろんなもので代用したのだけど記憶の味にならず、
ここ3年ほど温めておくことになっていたんです。

で、つい先日、スウェーデン料理の「ショットブッラル」を作ったことで、
ふと思い出してお尻にボーボーと火がついたので、
今度こそ、きちんとシロップをお取り寄せして!再挑戦しましたb
ついでに「カソナード」という赤砂糖も。
 

 
この、シロ・ド・リエージュ。
りんごのシロップだというので
洋梨とりんごを煮詰めたものという説明をみても、
透き通ったような「シロップ」なのだと思って蓋をあけたら、ビックリ!
なるほど、煮詰めるといっても極限まで煮詰めたものだったのね!

系統としてはミキプルーンな感じですが、
爽やかなりんごの香りが鼻を抜けていくのがわかります。

これは、ソースにしたら絶対美味しい…!!!
 

 

<材料 1人前>

◎肉団子
挽肉 200g(オリジナルはたぶん粗挽きの牛肉)
塩 1.6g(0.8%)
砂糖 1.6g(塩と同量)
メース 適量(ナツメグでも)
セロリ 適量
胡椒 適量

材料を合わせて、冷蔵庫で1時間ほど寝かせます。
パン粉を入れるレシピが多いですが、
塩+砂糖でブラウジングさせることでお肉100%でも柔らかく仕上がります。

◎ソース
バター 10gほど
玉ねぎ 小1玉(みじん切り)
カソナード 小さじ1
小麦粉 大さじ1くらい
シロ・ド・リエージュ 30g
ビール 200cc(ベストは、ベルギービール)

◎つけあわせ
お好みの葉物サラダ 適量
フレンチフライ ジャガイモ大1個分
 →切ったあと蒸し、小麦粉をつけて揚げるとサクサクに仕上がります。


まずは、煮込む時間があるのでソースから仕込みます。
バターを入れて熱したフライパンに、みじん切りした玉ねぎを入れ、キツネ色になるまでじっくり炒めます。

玉ねぎがキツネ色になってきたら、カソナードを入れます。
お砂糖入れたら焦げちゃわないの?って思うけど、大丈夫b
ジャムみたいになっていきます。

玉ねぎがジャムっぽくなってきたら、小麦粉を入れ、しばらく練って粉っぽさをとります。

粉っぽさがなくなったら、シロ・ド・リエージュを入れて全体をなじませます。

全体が馴染んだら、ビールを入れ、じっくり弱火で煮詰めて行きます。
できれば味の濃いベルギービールを使いたかったところですが、飲んでいたアサヒを入れました。
キッチンドランカーなことがバレてしまいますねw

では、
ソースを煮込んでいる間に、ブレを仕込みます。

ヨーロッパでお酒といえば、ワインを思い浮かべますが、
ベルギーは地理的に緯度が高く、
良質なブドウが採れなかったことからワイン文化が発達せず
ビール作りが盛んにおこなわれたんだって。

なるほど〜

だからなのか?
ソースには、ワインではなくビールを使うため、たぶんビールが合うんだね〜!!
ビール好きにはたまらないお料理です♪
 

冷蔵庫で寝かしておいた肉だねを取り出し、砲弾のように大きな丸にし、フライパンまたはスキレットで表面に焼き目を付けていきます。
全体に焼き目がついたら、スキレットごと180度のオーブンで20分焼きます。

この間に、フレンチフライをあげたり、サラダを用意したりします。

オーブンから取り出した肉団子を、肉汁とともにソースに入れ、しばらく(10分ほど?)煮ます。
汁気がなくなって焦げそうになったら、ビールを足します。
鉄グシを刺して、中心まで火が入ったのが確認できたら、お皿に盛ってできあがり。

Boulet à la Liégeoise

 
ブレ・ア・ラ・リエジョワーズです!!!
艶があって綺麗!
 

 
これだけの大きな肉団子を切るのは
なかなか手応えあります。
 

 
先日、友人がお土産にもってきてくれた
三弥商店が展開する、中野区のキャラクター「中野大好きナカノさん」ラベルの
「ナカノさんのビール」と一緒にいただきます♪

口のなかに、りんごの風味が広がって、お肉の肉汁パンチと合う、合う!!

「そう、この味!」

ベルギーで食べてから4年が経つけれど
あの時の味が、体に感じる風となって正面から吹きつけてくる。
感無量です。

日本では、ハムサンドにマーマレードといった、
お肉×フルーツの組み合わせは馴染みがなく、
いっぽうでは敬遠されるような食べ物になってしまっているけれど
(生ハムメロンが保守的にさせてしまった元凶だと思うんだよね…
こういう味を多くの人に知ってもらって
他国の食文化に寛容な日本人の舌が、もっと豊かになったら楽しいだろうな!
と思う、今日この頃です。
 

ブレ・ア・ラ・リエジョワーズ。
こころと体が癒され、ビールがすすむお料理でした。

ごちそうさまでした♡

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